© Utilitas Wind / Utilitas Wind vēja parks Tārgalē

ラトビア人は、緑豊かな森林でのキノコ狩りから、海辺の散歩、多様な草原での薬草採取まで、自国の美しい自然を堪能できるという幸運に恵まれています。この豊かな自然を受け継ぐラトビア人は、責任ある自然管理、気候変動への取り組み、そしてエネルギー消費を含む日々の行動が環境に与える影響を考慮することで、この貴重な財産を守り抜くという強い意志を持っています。

先月、100名のビジネス代表団がラトビアで過去最大規模の米国貿易使節団に参加しました。業界のリーダーたちとの交流や、ヒューストンのGastech展示会やサンフランシスコのDreamforceカンファレンスなどの主要イベントに参加することで、ラトビアのグリーンエネルギーの潜在力をアピールしました。主な成果として、CO₂と水素から持続可能な航空燃料を生産するための合意書がKBRとGIターミナルの間で締結されました。また、ラトビアの主要エネルギー供給企業であるLatvenergoは、ラトビアの2050年ゼロエミッション目標達成に不可欠なエネルギー変換戦略を策定するため、米国立再生可能エネルギー研究所と提携しました。

グリーンエネルギーへの世界的な需要が高まる中、これらの提携はラトビアのエネルギー自立と持続可能性へのコミットメントに向けた理にかなったステップと言えます。

© AS "Latvenergo"

© Energiapartner

緑の国、確かなエネルギー

グリーンエネルギーは、単なる未来のビジョンではありません。ラトビアは自然資源を持続可能な形で管理する上ですでに大きな進歩を遂げており、数字がそれを物語っています。2023年、ラトビアは欧州連合(EU)において再生可能エネルギー利用率で上位3カ国にランクインし、エネルギー消費量の43.5%を再生可能エネルギーが占めています。この数値は2025年までの意欲的な目標44.3%にほぼ達しており、EU平均の23%を大きく上回っています。

過去10年間での天然ガス使用量の削減も著しく、38.5%の減少を達成しています。電気自動車の普及が徐々に進む様子は、ラトビアの持続可能な交通体系への転換を象徴しています。

​​過去数年間の顕著な成長は、クリーンエネルギー、ゼロエミッション、持続可能な自立性という今後の目標の達成に向けた大きな可能性を示しています。太陽光・風力発電量は、2023年には2022年比で驚異的な92%増加を記録し、この勢いに衰えは見られません。

© Utilitas Wind / Utilitas Wind vēja parks Tārgalē

ラトビアのグリーンエネルギーの未来​

これらの実績を踏まえ、ラトビアはグリーンエネルギーへの転換に向けた意欲的な目標を掲げています。2030年までに総エネルギー量の57%を再生可能エネルギー源から調達することを目指しており、最終的にはEUの気候目標と完全に歩調を合わせた2050年までの気候中立達成を目標としています。現在、ラトビアは風力発電と太陽光発電のインフラを拡大することに重点を置いています。

その取り組みを象徴するのが、旗艦プロジェクトである「Elwind(エルウィンド)」です。2030年までに完成予定のラトビア・エストニア共同洋上風力発電所は、両国のエネルギー自立を強化すると同時に、欧州グリーンディールの目標推進にも貢献します。

「ラトビアが『Elwind』などのプロジェクトで示している再生可能エネルギーへの注力は、新たな投資を呼び込み、エネルギー自立を促進しています。これらの取り組みは、ラトビアが電力を輸出し、水素生産のような効率的な技術で主導的な役割を果たすための道を切り開いています。グリーン化を推進し化石燃料を削減することで、ラトビアはEUの気候目標を達成し、グリーンエネルギー分野でリーダーとなる確固たる道を歩んでいます」と、ラトビア投資開発庁(LIAA)のLaura Štrovalde(ラウラ・シュトロヴァルデ)副長官は述べています。

老朽化したインフラが依然として主要な課題であり、現在エネルギー需要のほぼ半分を占めていますが、ラトビアは断固たる措置を講じています。また、建物の重点的な改修と電気自動車導入の推進によって着実に石油依存度を低減しています。こういった取り組みは欧州連合の気候目標達成に貢献するだけでなく、キノコの宝庫である森林や美しい海岸線など、ラトビア固有の自然遺産を将来の世代へと引き継ぐことにも繋がります。